ハゲている人の中でも後頭部や側頭部がハゲている人はそういないと思います。なぜ後頭部と側頭部はハゲないのでしょうか。
「後頭部や側頭部がハゲないのは頭皮がやわらかく、血の巡りがいいため」と思っている人も少なくないと思います。私もそうでした。
後頭部と側頭部がハゲないのには、きちんとした理由があります。後頭部や側頭部の毛乳頭細胞には、男性ホルモンレセプター(受容体)が非常に少ないためです。
育毛を妨げるホルモン
筋肉や骨格を発達させ、男らしい身体を作る男性ホルモンの代表的なものがテストステロンです。
これが血中を流れて、毛乳頭細胞内に入ると「5α−リダクターゼ」によってより活性の強い「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変換されます。
この「DHT(ジヒドロテストステロン)」が細胞内の男性ホルモンレセプター(受容体)と結合し、遺伝子に取り込まれると育毛が抑制されてしまうのです。
男性ホルモンレセプターは、後頭部と側頭部にほとんど存在していません。そのため、男性型脱毛症では後頭部や側頭部はハゲないのです。
DHTの産生を防ぐ育毛剤
脱毛のメカニズムが解明され、急速に治療薬の開発が進みました。
2005年には「5α−リダクターゼ」の働きを妨げ、ハゲの原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を抑える薬「プロペシア」が登場しました。
プロペシアの成分は「フィナステリド」と言います。フィナステリドは、もともと前立腺肥大という病気のお薬です。フィナステリド服用者の多くが「髪が増える」副作用を発症したので、調べてみると男性型脱毛症に最適なお薬というのが判明しました。「フィナステリド」の詳しい説明については後日アップします。