育毛剤配合のグリチルリチン酸ジカリウムを学ぶ!育毛効果は強烈?

育毛剤の成分表に、有効成分として「グリチルリチン酸ジカリウム」がよく見られます。

入っていないほうが少数派といっていい成分なので、よほど大切な効果がありそう。イクオスチャップアップにも、もちろん入ってます。

知らないうちに毎日お世話になっている身近な存在。その正体を、基礎知識として知っておきましょう。

グリチルリチン酸ジカリウムって何?

この成分、名前がたくさんあります。

  • グリチルリチン酸二カリウム
  • グリチルリチン酸2K
  • グリチルリチン酸K2
  • グリチノンK2

でも全部同じものです。化学合成っぽい名前ですけど、実は基本的には植物成分なんです。

甘草(カンゾウ)という植物の根に含まれるグリチルリチンは、そのままでは水に溶けにくい物質です。

それでは化粧品や育毛剤に成分として混ぜにくいので、カリウムをくっつけて溶けやすくしたものが「グリチルリチン酸ジカリウム」というもの。

グリチルリチンは漢方薬

カンゾウは漢方薬の7割にも使われる、漢方の基本的な成分です。単独で咳止め・喉の痛みに使うほか、他の生薬の刺激緩和が主な用途です。

成分のグリチルリチンとしては、肝機能障害・風邪・アレルギーに有効で医薬品にも使われます。

消炎作用やアレルギー症状を抑える力は強く、医薬部外品原料規格や日本薬局方外原料規格にも入っています。

使いやすくしたグリチルリチン酸ジカリウムとして、育毛剤をはじめ、化粧品や医薬部外品に日常的に広く使われる成分です。

また、砂糖の50倍にもなる強い甘味を持ち、しょうゆや漬物、お菓子など食品の甘味料にも使われます。砂糖とは違って甘味が遅く現われ、後を引く性質があり、特有の香気があります。

グリチルリチン酸ジカリウムの育毛効果とは

医薬品から食品まで、何でもありの幅広い使われ方ですが、育毛剤に配合された場合も期待できる効果は多彩です。

抗炎症・抗アレルギー効果で脱毛防止

日常的に分泌されている皮脂は、洗い残したり分泌が多くなると頭皮に溜まり毛穴をふさぎます。

そうするとやがて頭皮に炎症が発生。毛根の活動が低下して毛の成長が悪くなり、抜け毛へと進みます。

また刺激の強いシャンプーを使ったりすると、その成分が頭皮に合わずアレルギー反応を起こすことがあります。そして頭皮が荒れて薄毛の原因になります。

グリチルリチン酸の特長は、強い消炎作用や抗アレルギー作用です。

その作用で薄毛の原因になる炎症とかアレルギー症状を抑制。髪の毛が成長しやすい頭皮の状態にして、抜け毛を防ぎ、毛の成長を促します。

抗炎症・抗アレルギー作用は皮膚科の薬より安全

頭皮の炎症や湿疹で皮膚科へ行くと、処方されるのはたいてい副腎皮質ホルモン製剤(ステロイド)です。

効果は確かで即効性があるいい薬ですが、長期間続くと副作用の心配が出てきます。

グリチルリチン酸ジカリウムは同じような作用ですが、穏やかで副作用の心配はありません。炎症を抑えることで毛が成長する環境を整え、抜け毛が抑えられます。

ただし炎症が長引いたり悪化したりした場合、育毛剤での治療は無理です。早めに病院へ行きましょう。

殺菌作用で頭皮を清潔・健全に

頭皮には常在菌が住んでいて、その栄養源は頭皮に分泌される皮脂です。過剰分泌で豊富な状態になると異常繁殖します。

その一方で適度な皮脂のない頭皮では逆に乾燥状態になり、今度はバリア機能が弱まって雑菌が繁殖します。

このように皮脂が多くても少なすぎても常在菌は繁殖。その分泌物が頭皮を刺激してかゆみが出ます。

頭皮を掻いて炎症が起き、はがれた角質のフケも増え、毛の成長が望めない頭皮環境になります。

グリチルリチン酸は殺菌作用も持ちます。

この高い殺菌作用で繁殖しすぎた常在菌を抑え込み、頭皮を清潔に保つことで頭皮環境が正常化。抜け毛が減り毛の成長が促されます。

毛母細胞活性化で髪の毛が成長

グリチルリチン酸ジカリウムは、その名が示すようにカリウムを持っています。カリウムの役目は細胞分裂・成長、エネルギー代謝向上、浸透圧維持など。

毛母細胞も細胞分裂で毛を作り出すので、カリウムがその働きを左右します。

毛母細胞は頭皮の環境悪化などのいろんな原因でその活動が低下、髪の毛の成長が損なわれます。

グリチルリチン酸ジカリウムで頭皮に直接カリウムを補給することで、低下した毛母細胞の活性が高まり髪の毛の成長が期待できます。

頭皮のバリア機能強化

グリチルリチン酸ジカリウムのちょっと変わった作用は、マクロファージという免疫細胞の働きを活性化する作用です。

この細胞は、外部から侵入した菌やウイルスを食べて排除する細胞です。

この細胞の働きを強化することで、外部からの攻撃に耐えられる健全な頭皮が作られ、環境悪化で抜け毛が増えるのを防げます。

抗炎症作用で頭皮ニキビにも対応

頭皮にもニキビができます。皮脂分泌が多いベタベタ頭皮では、毛穴がつまってニキビができ、さらに皮脂が酸化、その刺激で炎症がおこります。

顔にもよくできる赤いニキビです。

こんな頭皮ニキビもグリチルリチン酸ジカリウムの抗炎症作用が作用、炎症を抑え悪化を防ぎます。ただ、頭皮ニキビが化膿、悪化した場合は育毛剤での治療は難しいので、抗生剤などを使ってくださいね。

グリチルリチン酸ジカリウムに副作用はあるか

植物由来で食品にも使われている甘い成分なので、イメージ的には安心安全ですね。確かに安全な成分で医薬品にも使われ、副作用はありません。

過剰摂取では問題あり

ただし摂りすぎると、過剰摂取による弊害があります。

厚生労働省からは、1日当たりの摂取限度量は40㎎に規制されています。

この線を超えると、偽性アルドステロン症という症状が出る可能性があります。具体的には高血圧、むくみ、手足のしびれ、高ナトリウム血症、低カリウム血症などの症状が出ます。

原因としてはカンゾウやサイアザイド系利尿薬といった医薬品を使ったことが原因の、「医原性」によるものが多いようです。

育毛剤や医薬部外品では過剰摂取は心配ない

過剰摂取ですが、育毛剤や化粧品といった口から摂らないものであれば、吸収量が少ないので症状が出ることは考えられません。

化粧品などの例では、粘膜に使用せず洗い流さないものについてはその濃度の上限が0.5%に記載されています。

実際に流通する商品では0.1%以下の濃度のものが多く、体内に限度量の40㎎が入る可能性はほぼありません。

グリチルリチン酸ジカリウムに最適の組み合わせは?

抗炎症、抗菌、抗アレルギーが主な作用のグリチルリチン酸ジカリウムですが、育毛作用としては単独ではちょっと無理。

他の成分と組み合わせることになりますが、育毛に効果的で最適な成分をいくつか挙げてみます。

M-034

グリチルリチン酸ジカリウムに劣らずよく使われる海藻成分ですね。

それというのも守備範囲が広く、使い勝手がすごくいいから。

それにミノキシジルに匹敵するといわれる効果でも知られます。その作用は次のようなものがあります。

  1. 毛根部(外毛根鞘)の成長促進
  2. 血流改善
  3. 保湿
  4. 抜け毛抑制

髪の毛を生やすことに徹していますね。それも多方向からのアプローチができる、万能成分です。

グリチルリチン酸ジカリウムにはない作用なので、組み合わせると両方の価値が高まる有用な成分です。

オウゴンエキス

この成分は抗炎症・抗アレルギー作用があり、漢方薬成分でもあるところがグリチルリチン酸ジカリウムとよく似ています。同じ作用という事で、組み合わせると相乗作用が期待できます。

そしてDHTの抑制による脱毛の抑制が望めます。

他には保湿、頭皮の老化防止などの作用もあって、このあたりは補完効果が期待できます。

グリチルリチン酸ジカリウムの足りないところを補い、同じ作用に協調もできるいい相手ですね。

センブリエキス

主に血行促進作用による育毛効果が望める成分ですが、他にも毛乳頭の活性化や頭皮環境の改善による脱毛防止などの作用で、幅広い育毛作用が期待できます。

この成分もグリチルリチン酸ジカリウムの及ばない部分をカバーして、多方面の育毛効果が期待できる成分です。

まとめ

育毛剤には普通に入っているグリチルリチン酸ジカリウム。何に有効なのかよくわからんというのが本当のところでした。

育毛作用としては華々しい発毛作用ではなく、頭皮の炎症を抑え殺菌し、フケ、かゆみを抑え、発毛しやすい状態に整える、といった効果です。いわば裏方に徹した地味な立場ですね。

地味ではあっても、毛が生えやすい環境を作る重要な成分です。これが入っているのをチェックするのが育毛剤選びの基本。

それに加え、イクオスなどに入っている最適成分M-034、センブリ、オウゴンの3つのエキスも要チェックです。